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Chapter 9 未来の航空機の形

特集_タイトル

■飛行機の未来形
 今回は、未来の飛行機の形について、特に面白そうなものを選んで順不同でご紹介しましょう


■より手軽に飛ぶために!
 近年、米国では自動車並みに安全で、操縦し易い軽飛行機を開発し、一気に個人レベルの航空交通を普及させようという研究が精力的に進められています。図1はそうした研究成果の一例です。静かで燃費の良い小型ジェット・エンジンを後部胴体の上面に搭載し、主翼の両端に垂直安定板を設けた面白い形態をしており、胴体は乗用車のように広い居住空間を得るため、丸みを帯びた独特の形になっています。


【図1 将来軽飛行機】

■宇宙への足掛かりとなるために!


 音速の5倍から10倍もの速度で飛ぶ極超音速機の研究も活発です。極超音速機は、様々な用途に使えますが、中でも特に重要な用途が、小さな人工衛星を乗せたロケットを高速・高高度で発射する母機としての使い方です。滑走路を使って離着陸ができるため、特別な発射場を必要とせず、しかも繰り返し使えるため、使い捨てのロケットだけで地上から衛星を打ち上げるよりも安価であると期待されています。極超音速実験機の例を図2に示します。  極超音速で効率よく飛ぶには、エンジンが取り込む空気の圧縮と、エンジンから出る排気の膨張を十分に行う必要があります。このため、多くの極超音速機は、胴体下面の中央付近にエンジンを配置し、前部胴体全体を空気の圧縮に利用し、後部胴体全体を排気の膨張に利用するように設計されており、鋭い楔(くさび)のような形をしています。


【図2 極超音速航空機】

■よりクリーンに飛ぶために!

 人工衛星は通信、放送、天気予報など私たちの日常生活に欠かせないものですが、最低でも地上数百キロの宇宙空間を回っているため、地表の様子を細かく観察する場合や、無線機の出力を有効に使いたい場合は、航空機の方が有利なことがあります。 人工衛星に近い用途の高高度航空機は、極めて空気の薄い高空を飛べるよう大きくて幅の広い主翼を備えています。また、何十 時間も空中に留まる能力が必要ですから、必然的に無人機となります。図3の実験機のように、太陽電池を動力に利用し、排気ガスを全く出さないものも開発されています。


 【図3 高高度航空機】

■夢見る力

 航空機の技術は、もう十分に成熟したのだから、今後、画期的な進歩は起きないだろう、という意見があります。しかしこれは誤りでしょう。航空宇宙技術が非常に多くの専門分野に分かれた結果、全体を見渡して新たな展望を示すことが少々難しくなっただけのことです。私たちが広い視野を持ち、皆で力を合わせ、ほんの少し「夢見る力」を取り戻せば、新しい夜明けは必ずやってくるはずです。


 

 
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