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Chapter 2 2つの主翼、2つの胴体

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■古典機の代表、複葉機
 今日、ほとんどの飛行機は左右の主翼が1枚の単葉とよばれる形式ですが、1930年代頃までは主翼が2枚ある複葉機の方が一般的でした。主翼を余分に持つことにはどのような意味があるのでしょうか?

■複葉は軽くて丈夫
 複葉は、軽くて丈夫な主翼を作るのに適しています。図1に示したように上下の主翼と支柱を四角い箱形に組み上げ、各頂点の対角線にワイアを張り渡しておくと、主翼が曲がったり捻れたりする力をワイアや支柱が支えてくれるので、主翼が1枚の場合に比べると格段に頑丈になります。

【図1 複葉機の形と主翼の構造】
■全体の調和
 主翼、尾翼、胴体といった要素をただ寄せ集めただけでは飛行機として十分ではありません。全体が一定の調和を満たしていないと飛行機は飛ぶことができません。たとえば飛行機全体の重さに見合った揚力を主翼が発生できないと水平飛行は不可能ですし、全体の重心位置と尾翼面積の関係が適切でないと安定性の悪い飛行機になってしまいます。

■分けること、まとめること

 さてChapter2以降、4回にわたって図2のように飛行機の形を少しずつ変えて、いろいろな形の飛行機を考え、今回ご説明した2つの視点からそれぞれの飛行機の特徴と設計の狙いを読み解いていきます。飛行機を構成要素ごとに分け、各要素の持つ機能と要求とを対応づけていく「分けて見る視点」と、飛行機全体のバランスが適切であることを確認する「まとめて見る視点」を交互に切り替えながら、航空機設計のおもしろさをご紹介していきたいと思います。


【図2 双胴機と水上安定性】
重量を分散する効果も
 また、双胴機には胴体の重量を分散できるという大変重要な利点もあります。胴体が1つの飛行機では、胴体の重さが中央に集中するので、主翼の付け根には大きな力が加わります。これに比べ双胴機では、胴体の重さが2個所に分散しているので、主翼付け根の負担はずっと楽になります。今日使われている大型旅客機よりもはるかに大きい飛行機を作る場合は、こうしたメリットを期待して双胴形式が選択される可能性があります。ただし胴体が2つになった分、空気抵抗が増えるという欠点もあります。

■要素を増やすメリットとデメリット

 以上ご説明したように、1機に1つあれば十分なはずの主翼や胴体を2つに分けると、そこに新たな機能が生まれて運動性が増したり、水上での安定性が良くなったり、重量が分散されて主翼の負担が軽減されたりすることが分かりました。一方、飛行機全体として見ると、要素が増えた分だけ抵抗が増えてしまうという欠点があることも明らかです。こうしたメリットとデメリットをきちんと定量的に比較し、要求を満足するためにはどの形が適しているかを適切に判断することは、飛行機の設計で最も重要なポイントの一つであると言うことができるでしょう。  Chapter3は今回とは逆に、機体の構成要素を減らした飛行機について考えてみます。


 

 
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